2012年7月2日
第50回北海道労福協総会報告
連帯・協同で安心・共生の福祉社会をつくろう!!
北海道労福協定期総会は6月15日(金)にポールスター札幌で開催され、2011年活動・決 算報告と組織・財政検討委員会特別報告並びに「2010年度北海道労福協ビジョン」に基づく2012年度活動方針・予算案等の審議が行われ、役員改選を含 めた全議案が提案通り承認されました。
理事長挨拶
冒頭、髙柳理事長から以下の挨拶を受けました。
議案に関わって、一点だけ申し上げます。 ご案内のように、今年は国連が2009年12月の総会で「国際協同組合年」とすることを宣言した年であります。宣言では、協同組合を「人々の経済社会開発 への最大限の参加 ・・」「持続可能な開発、貧困の根絶、都市・農村におけるさまざまな経済部門の生計に貢献できる事業体・社会的企業」として評価したう えで、背景には、2007年の世界的な食糧危機、2008年以降の金融・経済危機に対して、協同組合が耐久力・回復力を示したことなどを挙げ、あらためて 協同組合についての社会的認知度(ビジビリテイ)を高めることなどを目的として取り組みを進めることとしています。 私は、この間の新自由主義・市場万能主義がもたらした社会的格差の拡大・貧困の増加などの解消・根絶に、協同組合組織の役割と責任を果たすよう求められたものと理解しています。 その上で、私たちの労働福祉事業に限定して、現状の取り組み状況・問題意識を申し上げたいと思います。先ず、中央労福協は、昨年11月開催の60回の定 期総会の前段に「連帯経済における協同組合の新たな展開に向けて」という研究委員会報告とシンポジウムを開催いたしました。 これは2009年に策定した中央労福協「2020年ビジョン」において、協同組合を連帯経済の担い手と位置付け、その社会的役割と力量を高めていこうと 提起したもので、協同組合の役割として、雇用創出のネットワーク・社会サービス・地域づくりなどの分野において、共助の組織である協同組合が、公益の担い 手としての新たな展開が求められるという問題意識から取り組んだものでした。こうした中央の動向なども踏まえ、北海道においても、5月22日に連合北海道 などと実行委員会を構成し「労働者自主福祉事業の新たな展開に向けて」という副題での国際協同年記念フォーラムを開催いたしました。 私の問題意識は、この間、いろいろな場面で使わせていただいておりますが、中央労福協「2020年ビジョン」に記述ある“近年の事業団体と労働組合の関係が「業者」とお客様の関係に変容してきた”云々の件です。 昨年の連合・2011年生活アンケートの結果でも、傾向として両者の距離感が現れているのではないか?と思っているところです。 日頃の繰り返しになりますが、あらためて、事業団体・協同組合組織・生協運動の理念・運動論への理解や労働組合の組織活動などについて、再構築と言えば、 言い過ぎになるかもしれませんが、しかし、問題意識をもって取り組まなければならないのは事実だと思います。このことだけ申し上げておきたいと思います。 |
【活動の基本】
1. | 労働団体、加盟団体との連携強化・事業団体の基盤強化 | |
2. | 2013年度「北海道ライフサポートセンター」(略称HLS)の全道展開に伴う、運動領域拡大への対応 | |
3. | 国際協同組合年の取り組みと、中央労福協・事業団体の取り組みの積極支援 | |
4. | 「2010北海道労福協ビジョン」基本目標(年次計画)の着実な達成 | |
5. | 地域に顔の見えるブロック労福協の運動強化 | |
6. | 生涯福祉、生涯取引の継続による安心・安全をめざす、退職者組織との連携 | |
7. | 中央労福協・連合北海道・労働者福祉事業団体と連携した制度・政策改善の取り組み | |
8. | 連合北海道などと連携した、「東日本大震災」被災者・被災地域復旧・復興への必要な支援活動 |
【具体的な活動】
1. | 道労福協(本部事務局機能の強化)活動強化 | |||
(1) | 総合企画調整機能の強化 | |||
・ | 事務局体制の強化、事務局体制の増員(事務局次長1名増員)による道内における労働福祉センターとしての存在意識を高め、総合企画調整と労働者福祉活動推進の役割発揮 | |||
・ | 企画委員会の充実強化、一体的組織のブロック労福協に対する支援・援助を深めていきます。 | |||
(2) | 「北海道ライフサポートセンター」の全道展開 | |||
・ | 今後は専門機関等との連携を強化し「暮らしなんでも相談室」の充実や協同ネットワークの形成、広報・宣伝活動を図りながら課題を整理し取り組んでいきます。(詳細は北海道ライフサポートセンター総会で提案) | |||
(3) | 「勤労者福祉キャンペーン」の充実強化 | |||
・ | 連合北海道・事業団体と連携の上、総会後早い時期に「実行委員会」を設置「キャンペーンオルグ団」を編成し、各産別オルグ計画、ブロック労福協には対話集会的なオルグ方法を検討。 | |||
(4) | 情報の共有化、情報発信機能の充実強化 | |||
・ | ホームページの拡充、FAXニュースのタイムリー発行、労福協手帳の作成、中央労福協のニュースレターの提供、情報誌や研修テキスト等の提供。 | |||
2. | ブロック労福協の運動強化 | |||
(1) | ブロック労福協の位置づけと役割・機能の重点化 | |||
・ | ブロック労福協は道労福協との一体的な組織として、「ライフサポートセンター」のサテライトの展開など、それぞれの地域での労働福祉活動の推進、拡大と向上を目指す。 | |||
・ | 労働福祉活動推進委員を中心とした上記運動推進の体制づくりを進めます。 | |||
(2) | 重点的活動と今後のあり方・継続的活動 | |||
・ | 「ウエルフェアスクール」は充実強化を図り、「退職準備セミナー」は独自の「研修会」などを積極的に開催することとし、道労福協は必要な支援を行っていくこととします。 | |||
・ | 役員会・幹事会の定例開催による情報の共有化、福祉事業団体の強化、「ライフサポートセンター」の活動を通じたネットワークの形成 | |||
3. | その他の議題 | |||
・ | 国 際協同組合年の取り組み、事業団体の運動推進強化・連合北海道、加盟団体との連携・労働福祉事業団体の取り組み・高齢・退職者との連携・協同ネットワーク の形成、機能化・制度、政策改善の取り組み・中央労福協、北部労福協運動への参加・役員改選等の方針案が、提案通り承認されました。 | |||
・ | 役員改選 退任役員: 村田仁副理事長 伝法政喜理事 奥井淳司会計監査 新任役員: 菅田敏文理事 佐藤敏行会計監査 退任された皆様には労福協運動にご尽力いただき、心から感謝申し上げます。 |