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労福協 活動レポート

2025年6月30日独言居士の戯言

独言居士の戯言(第384号)

北海道労福協政策アドバイザー(元参議院議員) 峰崎 直樹

いよいよ参議院選挙始まる、与野党逆転が実現できるかどうか

いよいよ7月3日から参議院選挙が始まる。その前哨戦として位置づけられた東京都議会議員選挙が先週22日に投開票され、国政での政権与党である自民党と公明党、それと共産党が議席を減らしている。特に自民党は過去最低だった前々回の2017年を下回る「歴史的惨敗」となり、朝日新聞社の出口調査によれば自民党支持率は21%で前回21年の28%、前々回の17年の26%を下回っており、しかも自民党支持層の投票行動を見ると、そのまま自民党候補へ投票したのは53%でしかなく、これでは「歴史的惨敗」も当然のことなのだと判断しうるわけだ。こうした傾向は、昨年の総選挙での選挙結果に近似しており、むしろ支持率の低下が一層進んでいることを見て取ることができる。

同じく国政での与党である公明党は、東京での現職議席を失う初めての結果となったとのことで、党や支持組織である創価学会としても大きな痛手となったことは想像に難くない。

自民党支持率の低下、獲得議席の落ち込みが続いている

都議会議員選挙という地方議会議員の選挙だけで次の国政選挙を予想することには無理があるのだが、東京で起きることは全国の先駆けであることが多く、次の参議院選挙でも大きな変動が無ければ同じ傾向となるのだろう。問題はどれだけ自民・公明両党の議席が減少していくのか、参議院選挙は半数改選だけに直ちに両党で全体の過半数を割り込む大敗を喫するのか、更には全体の改選議席124のうち、1人区は32議席あるわけで、野党側の選挙協力がどの程度まで進むのかによっては与野党どちらが勝利できるのか、なかなか判断が難しくなる。というのも、都議会議員選挙では「都民ファーストの会」が比較第1党となって躍進したわけだが、小池都知事を支持する地域政党の支持者が国政選挙ではどんな投票行動を示していくのか、もともと「都民ファーストの会」は自民党を軸にした保守政党の東京バージョンと見ていいわけで、容易に自民党へと回帰していくことも十分あり得るとみておく必要がある。

とはいえ、確実に言えることは、この間の各級選挙では自民党への支持率や獲得議席は確実に減少し続けていることである。宿痾ともいうべき「政治とカネ」の問題を抱え続けているわけで、7月20日の投開票を迎える参議院選挙においても国民の審判は引き続き厳しいとみておくべきだろう。

公明党や共産党といった組織政党はどう展開していくのか

それにしても、公明党の最近の選挙結果をみていて、あれだけ不敗を誇っていた「創価学会・公明党ブロック」がほころびを見せ始めていることにこそ注目すべきだろう。都議会議員選挙では大田区の二人の現職議員が同時に落選したとのこと、大田区は創価学会の聖地とも言われた重要な地域であり、その影響は大きいのだと思う。前回総選挙において公明党代表がまさかの落選という衝撃があったわけで、これからの公明党がどんな戦いを展開していけるのか、引き続き注目すべきことは言うまでもない。

また、日本共産党が選挙のたびごとに支持率を低下させていることも気になる。これといったスキャンダルや不祥事があったわけでもないし、初めて田村智子さんが女性党首となったわけで、共産主義という党名のイデオロギーへの嫌悪感などが災いとなっているのだろうか。支持者の高齢化なども大きく影響しているのかもしれないが、党外から観ている限りその支持率衰退の背景は分かりにくいものがある。

政権交代に向けて、かつての民主党を再現して欲しいものだ

肝心の立憲民主党は参議院選挙でどうなるのか、都議会議員選挙での前進があっただけに多少の期待が募る。選挙後の話となるわけだが、国民民主党も躍進して支持率を高めてきただけに、かつての民主党を母体にした両党の選挙結果に期待したいし、出来れば元の鞘に納まって再び政権政党へと脱皮して欲しいと思うのだが、はたしてどうなる事やら。


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