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労福協 活動レポート

2024年3月4日独言居士の戯言

独言居士の戯言(第331号)

北海道労福協政策アドバイザー(元参議院議員) 峰崎 直樹

野田元総理、予算委員会での迫力ある質問の与えた影響の大きさ

2月26日の衆議院予算委員会、岸田総理出席の下NHKテレビで全国放映されるとあって与野党を問わず政治家にとっては最高の見せ場でもある。与党側の質問が終わって立憲民主党の野田佳彦元総理が質問に立つと、衆議院第一委員室の雰囲気が、気のせいだろうか一変したように感じられた。何よりもテレビに映る自民党席の議員達が、野田元総理の質問に対して真剣に聞き入っていることが伺われ、その鋭い質問に岸田総理がタジタジになる場面がお茶の間で見ておられる全国の有権者に強く印象づけられ、総理の存在が小さく見えて仕方がなかった。

当然のことながら、野田元総理の追及内容は自民党派閥パーティ券裏金問題であり、関係者5名が出席する予定の政倫審での質疑を全面公開する問題や、岸田総理が本部長となっている自民党の政治刷新本部で実施した調査が、ただ単にアリバイ作りだけで実態解明が全く進んでおらず、本部長を辞任すべきではないか、など問題点を実に鋭くかつ解りやすく追及したのだ。追及する姿勢に乱れは無く、実によく考え抜かれた言葉を総理にぶつけていることが、他の政治家の質問とはその格の違いを見せつけていたように思えてならなかった。

願わくは野田元総理には、後輩議員の国会での質問についての良き指南役として、政権交代に向けて真剣勝負できるレベルにまで高めて行ってほしいと思うばかりである。もちろん、これからも政権交代の旗振り役としての役割も大いに期待したい。

岸田総理、自ら全面公開の政倫審に出席を申し出たのは何故か

野田元総理の今回の凄みのある質問の与えた影響は、一つにはこのやり取りを見聞きしていた国民に対して、自民党がいかに堕落しているのか、国民にきちんと説明責任を果たしていないかを痛感させたことにある。

そのこともあったからだろうか、第二に政倫審に岸田総理自らが出席し全面公開にすることを決断させたことにつながったのではないかと思う。あまりにも野田元総理の追及に対する答弁がお粗末極まりなかったことを、そのままにしておくわけにはいかなくなったのではないかと思う。

予算の成立とともに解散・総選挙を企んでいると思われる岸田総理

もっとも、岸田総理は予算が成立すれば解散・総選挙に打って出ようと密かに企んでいることも考えておく必要があろう。9月の自民党総裁選挙で再選する道は、今の状況では絶望的であり、その前に解散・総選挙で支持率の上がらない野党側の攻勢をとにかく食い止め、この難局を乗り切っていくことを考えているのだろう。そうでなければ、いまだかって政倫審に出たことのない総理大臣が、求められていないにもかかわらず政倫審に出席し、全面公開の下で対応することなど考えられないからだ。

国会が最終版を迎える6月に解散・総選挙があるのではないか、という事も考えられるのだが、野党側の選挙協力ができていないうちに、予算が成立すれば能登半島地震対策(または別のテーマになるのか?)を前面に出しながら解散すると見たのだが、どうだろうか。29日と1日で政倫審は終えて、予算の自然成立となる2日までには予算を衆議院で何としても成立させてくるとみているが、公聴会日程などもあり日程的に可能かどうか、あくまでも想像でしかないのだが‥‥。政倫審の野田質問、なかなか迫力ある質問だったが、やはり予算委員会こそ国会質問の華だろう。


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