2019年3月28日
「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査の結果・電話相談の概要」の報告
2018年8月~11月、奨学金の利用実態や問題点、教育費負担についての考えを整理、奨学金制度の改善に繋げていくことを目的とし、中央労福協および地方労福協とともに「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査・電話相談」を実施しました。
北海道段階では、連合北海道、単組・産別、労働福祉事業団体、道生協連等のご理解とご支援のもと紙による調査票では419件、Webアンケートでは184件の回答を得ました。
産別本部での取り組みもなされ、全国では16,588件(調査票13,938件、WEB2,650件)の有効回答が得られ、「居住地は北海道」と回答したアンケートは672件となりました。
この度、「居住地は北海道」と回答のあったアンケート672件のデータを基に「北海道版」のアンケート調査の結果を取り纏めました。
また、奨学金に関する電話相談は、2018年10月29日~11月2日まで実施し、10件の電話相談を受けました。相談内容は、低収入、病気、失業など生活が厳しく返済できない返済困難者からの苦悩の相談が寄せられました。
詳細は、「北海道版 奨学金や教育費負担に関するアンケート調査の結果」および「北海道版 奨学金に関する電話相談(全国一斉相談)の概要」を参照ください。
主なアンケート項目の回答結果
○利用している奨学金の種類(複数回答)
日本学生支援機構 第1種(無利子)25.4% 第2種(有利子)45.6%
日本育英会 第1種(無利子)18.3% 第2種(有利子)13.9%
○子どもの教育費の負担感
かなり負担感がある27.7% やや負担感がある38.5%
○奨学金の借入総額(日本学生支援機構利用者39歳以下)
平均315万円
○奨学金の毎月返済額(日本学生支援機構利用者39歳以下)
平均15,948円
○奨学金の返済条件や滞納リスクの理解度(日本学生支援機構利用者39歳以下)
あまり理解していなかったと思う35.8% 全く理解していなかったと思う13.2%
○奨学金返済による生活設計への影響(日本学生支援機構利用者39歳以下)(複数回答)
結婚42.4% 出産38.4% 子育て39.7% 持家取得35.8% 仕事や就職先の選択37.7% 貯蓄67.5%
○子どもが奨学金を利用して返済していくことへの不安(高校卒業後の進学した子どものいる方)
かなり不安である・あった37.7% やや不安である・あった45.9%
○連帯保証人になっているケース(高校卒業後の進学した子どものいる方)
ある・あった65.6% ない・なかった34.4%
○高等教育関連の負担に関して優先的に実現してほしいこと(複数回答)
大学などの授業料の引き下げ(大学への公的助成の増額)68.6%
学費の減免制度の拡充54.0%
給付型奨学金の拡充」49.1%
貸与型奨学金を有利子から無利子にする37.1%
奨学金返済者の負担軽減や救済制度の拡充38.5%
主な電話相談の内容
○大学4年間奨学金を借りており、その返済と住宅ローンを支払っている。経済的に苦しく、奨学金の返済の先伸ばしができないであろうか。
○大学4年間で奨学金を借り、延滞が続き、債権回収会社からの取り立てを受けており、どうしたらよいであろうか。
○返還期限の猶予を受けている。10年の上限が近づいており、今後どうするか思案している。過去に、弁護士に相談したことがあり、弁護士からは自己破産を進められた。保証人は私と妻なので、自己破産することは問題ないが、どうしたらよいであろうか。