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労福協 活動レポート

2016年4月8日独言居士の戯言

独言居士の戯言(第23号)

元参議院議員 峰崎 直樹

「パナマ文書」の与えた衝撃、タックスヘイブンに群がる世界の政治家たちの群像

世界では今「パナマ文書」なるものが流布され、政治の世界を席巻している。この文書は中米パナマにある法律事務所「モサック・フォンセカ」が、全世界の顧客向けに24万社のオフショア企業づくりを手伝った1977~2015年の40年近くにわたる1,000万件以上の内部文書が流出したものだ。オフショア企業に資金を保有すること自体は違法ではないが、ロイター通信によれば「脱税や資金洗浄、制裁破りや麻薬取引などに使われる隠し財産の証拠となりうる」ものだという。

この資料がオープンになったのは、パナマの法律事務所から流出した資料を南ドイツ新聞が入手し、各国メディアで構成する非営利組織「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)で分析し公表したもので、名前が挙がった世界各国首脳らの中にはロシアのプーチン大統領の友人、習近平中国国家主席の親族、キャメロンイギリス首相の亡父、アサドシリア大統領のいとこ、グンロイグソン・アイスランド首相とその妻など本人以外の親族や友人によるタックスヘイブンでの租税回避を指摘されている。

さっそく4月4日、夫妻でタックスヘイブンに持つ法人を通じた資産隠しを指摘され、辞任を求める数千人の市民が押し寄せる中、翌5日アイスランドのグンロイグソン首相は辞任表明に追い込まれている。関係する各国政府はその究明を求める世界の市民の目が厳しくなっているものの、中国ではネットの検索を制限するなど神経をとがらせているようだ。日本については、今のところ政財界の重要人物の情報は含まれていないようだが、今後この「パナマ文書」をめぐって、タックスヘイブンを使った脱税や資金洗浄などの行方によっては、問題が大きく政財界を直撃することも予想され、引き続き注目して行かざるをえなくなっている。

タックスヘイブンによる税逃れは、逃れられない国民が負担することになるのだ

こうしたタックスヘイブンを使った脱税が横行すれば、国家の存立の為に必要とされる税財源は国内に残された多くの国民の負担となって跳ね返らざるを得ないわけで、政治家や富裕層のこうした行動は、絶対に許されない者と言えよう。それだけに、今後もICIJを始めとするNGOや、OECDをはじめとする国際組織の厳しい対応を求めていくべきだろう。ICIJのタックスヘイブン関連資料はこれで2回目であり、正確な情報とその分析に期待したい。

「世界で一番貧しい」ホセ・ムヒカ元大統領が来日、何という対称的な政治家に注目

一方で、同じ南米の国であるウルグアイの元大統領であるホセ・ムヒカ氏が初来日した。「世界で一番貧しい大統領」として知られるムヒカ氏は、2010~15年に大統領在任中の2012年ブラジルのリオで開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)での演説が世界的な注目を集めた。ムヒカ氏はそこで「地球の危機の原因は、環境の危機ではなく、私たちの生き方に根源がある」などと訴え、資源の浪費や大量消費社会を批判した。

注目したいのは、自身の生活スタイルや社会のあり方について「質素でつましい暮らしは、私がしたい事の時間が増える。それが自由だと思う」「私たちは多くの富を抱え、技術も進歩した時代に生きている。しかし、私たちは幸せに生きているのか」(「」内はいずれも東京新聞4月6日夕刊より)と発言されている。大統領在任中も公邸には住まず、報酬の9割を慈善団体に寄付するなど、その質素の生活ぶりが話題になったり、ノーベル平和賞候補にノミネートされたこともあるという。このような「清貧な政治家」の存在を知るにつけ、今回タックスヘイブンを利用した政治家やその親族たちの存在が、何とも薄汚く感じたのは小生だけではあるまい。

(続く)


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